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『…and, You Shall Die.』 【♂3:♀1】15分

概要

潜入任務中のピアソン。先輩であるシーマンをからかいながら組織の情報を自分の本来所属する組織へ流していた。裏切り者がいると噂になり始めたころ、潜入任務は殲滅計画へ以降。しかしピアソンは幹部のロドニーに捕まり尋問をうける。尋問中シーマンが乱入してきてピアソンを助ける。シーマンもまた潜入捜査中であったのだ。二人は仲間を手引きするため「直属の上司」アダムズと対決する。

  • 所要時間:約10分
  • 人数:4(♂3:♀1)
  • ジャンル:バトル、マフィア

登場人物

  • ショーン・ピアソン
       とある組織に半年潜入中の「後輩」。シーマンの補佐として殲滅計画の手引きを企てる。生意気で器用。作戦を立てるよりプレイヤーとして現場で動く方が得意。銃の腕が良い。
  • コーネリアス・シーマン
    とある組織に1年潜入中の「先輩」。頭を使う仕事の方が得意。組織の情報を自分のファミリーに流している。十分な情報が集まったため殲滅計画に移行。仲間の手引きを企てる。ノーコン。陽気。
  • レイノルズ・アダムズ
    ピアソンとシーマンの所属する隊の隊長。いけおじ。
  • レベッカ・ロドニー
    ピアソンが潜入している組織の幹部。尋問担当。鞭が似合ういいおんな。

本編

□談話室、朝

  扉の開く音。

ピアソン「おはようございますアダムズさん。
シーマンさんどこっすか」

アダムズ「またそれかピアソン」

ピアソン「とりあえず殺しとこうかと」

アダムズ「毎日毎日飽きないな・・・
すこしは先輩を敬ったらどうだ? ファミリーなんだし」

ピアソン「え、心外です。尊敬してますよ、
あのクソを煮詰めて上澄みすくったようなハイテンション」

アダムズ「それは褒めてんのか貶してんのか」

ピアソン「やだなぁ。褒めてますよ。で、シーマンさんどこっすか」

アダムズ「射撃場だよ。新しい銃ためすってキャンキャン喚いてたぞ」

ピアソン「そっすか。あざっす。じゃ」

アダムズ「まあ待て……
(小声)組織に、裏切り者がいるようだ」

ピアソン「……はぁ」

アダムズ「お前は新人だが、この半年よくやっている。
お前を信用して話すぞ。ここで一発キメれば、
昇進を推薦してやらんことも無い」

ピアソン「……了解っす」

□タイトルコール

  足音、拳銃のリロード音。

ピアソンN「…And you shall die.
(アンド、ユーシャルダイ)」

  発砲音。

□射撃場、朝

シーマン「あたんねーーー!」

ピアソン「シーマンさんチッス、死ね」

  発砲音。

シーマン「うぉっ!! おま、ピアソンくん!?
掠った!! 掠ったよ今! え、手元狂ったらどうすんの!」

ピアソン「掠らせてるんですよ。
俺がミスって当てるわけないじゃないですか、やだなぁ」

シーマン「……後輩のくせに生意気だぞ」

ピアソン「ふっ。じゃあまた1発勝負、しますか。
で俺が勝ったら言うこと1個聞いてください」

シーマン「ほうほうほう、のってやろうじゃねーか」

ピアソン「じゃ」

  発砲音2発。
  シーマンの弾は人型的の腕を、ピアソンの弾は心臓を貫く。

シーマン「だああああっ! 腕ェ! 25点!」

ピアソン「はい心臓。ひゃくてんまんてーん」

シーマン「くうううう」

ピアソン「じゃあ、次任務一緒になったとき、
下手くそは俺の仕事に手ぇ出さないでくださいね。
邪魔したら殺します」

シーマン「うぜええええ! マシンガンなら関係ねえじゃねえか!」

ピアソン「数打ちゃ当たるはクソオブクソですよ、クソ先輩」

シーマン「このやろぉ……面かせおら!」

  顔を近づけて凄む二人。

ピアソン「やるんすかァ?」

シーマン「ああん!?」

ロドニー「馬鹿二人! 仲良く取っ組みあってんじゃないわよ!
ほんっとに飽きないわね!!」

ピアソン「げっ」

シーマン「よぉロドニー。なんでそんなぷりぷりしてんだ?」

ロドニー「さんをつけなさいシーマン。新入り!
ほら今日の任務。アンタ自分で取りにきなさいよ」

  紙の束を渡す。

ピアソン「えー……」

  資料を一枚めくる。

シーマン「ふぅーん。俺も同行か」

ピアソン「俺一人でいいです」

ロドニー「優秀なのは知ってるけど、一番下っ端なんだから
上の言うことには従いなさい」

シーマン「そーだそーだ」

ピアソン「分かりましたぁ、
じゃあ約束通り、よろしくおねがいしますぅ〜、
ノーコン先・輩」

シーマン「やろおおおお」

ピアソン「じゃ」

ロドニー「ぴ、ピアソン!」

ピアソン「はぁ…… なんすかロドニーさん」

ロドニー「書類ッ! 持ってきてあああげたんだから
お礼くらい言いなさいよッ」

ピアソン「…… あー、あざっす…… じゃ」

ロドニー「えっ、えっ待ってよォ!
なんで煽ってくれないの!?」

ピアソン「煽る価値もない」

ロドニー「はあああん」

シーマン「ロドニー…… 正直ドン引きだぜ」

ロドニー「うるさい! あいつ顔がいいのよ! 顔が!」

シーマン「あー…… じゃ、じゃあ俺でも良くない?」

ロドニー「アンタは顔はいいけど声デカいし中身がガキだからダメ」

シーマン「んだとぉ! このブス!!」

ロドニー「あんだとクソガキ!!」

 廊下に響く足音。
 紙を数枚捲る音。

ピアソン「……ラパロ通り、か」

□パーティ会場、夜
 人々の話し声などのざわつき。グラスを当てる音など。
 スウィングジャズまたはワルツなどBGMで流れる。

シーマン「俺パーティ苦手……」

ピアソン「どおりで静かだなって思ってました」

シーマン「なぁ、笑顔でいるの疲れん?」

ピアソン「いつも馬鹿みたいに笑ってるくせに」

シーマン「……ちょ、ちょっとうんこしてくる」

ピアソン「またっすか」

シーマン「いや、いけるっしょピアソンくん
一人で行けるっしょまだ時間あるっしょ」

ピアソン「ごゆっくり」

  ざわつき。

ピアソン「トンプソン卿、どうも、ご無沙汰しております。
あぁ、今うんこ行ってるんで大丈夫です」

ピアソン「……ええ、最近は『星』が『よく見える』んですよ。
あ、タバコ、いかがです?」

  胸ポケットから煙草の箱を取り出す。一本渡して、
  ZIPPOライターか、マッチを擦る音。

ピアソン「どうぞ、お気に召したなら。
『箱ごと』お持ち頂いて結構ですよ」

□談話室、深夜
 乱暴にドアが開かれる音。

シーマン「かえったぞー!」

アダムズ「あぁ、おかえり。遅かったな」

ピアソン「クソ先輩のクソが長くて」

シーマン「違うでしょお、あのお嬢さんに金的食らってたの、
あーれれー誰だったかなー?ピアソンくーん」

ピアソン「今すぐその口閉じないと殺しますよ」

アダムズ「……ぶはは、とんだじゃじゃ馬ってことか、
ピオーネの姫さんは」

シーマン「そうなんだよ。びっくりするぞ、あの男気。
アダムズさんもあとで見に行ってくださいよ」

アダムズ「ロドニーの尋問に耐えられていたらな」

ピアソン「あの人の性癖どうなってんすか」

アダムズ「SとMは表裏一体、だと」

ピアソン「はぁ、理解出来かねます。
まあお嬢さんがいる限り誘われないか」

シーマン「え、おま、まさかあいつとそういう関係」

ピアソン「勘違いも甚だしい」

   再びドアが強く開かれる音。

ロドニー「あたしの話?あらぁ、いい声で鳴いてくれる気になった?」

アダムズ「有力な情報は引き出せたか、ロドニー」

ロドニー「今夜は第2ラウンドいけそうよぉ」

ピアソン「うわ。鳴きますよ。シーマンさんが」

シーマン「俺かよ!!」

ピアソン「あーっそこぉ! そこぉ!(棒読みで)」

シーマン「てめぇー!」

ピアソン「……先輩のマネなんかするんじゃなかった……
おええ……だれかころして……」

ロドニー「……ねぇ、はぁ、はぁ、明日空いてない?」

ピアソン「じゃ、解散ってことで、おつかれっした」

□ピアソン自室、深夜 開けた窓に凭れている。

ピアソン「ふー……」

  タバコの煙を吐く。

ピアソン「ヒト、マル、マル、マル……うーんそれより」

  懐中電灯をカチカチさせる音。(モールス信号)

ピアソン「フタ、マル、サン、マル」

ピアソン「(鼻で笑う)……タイムアップ」

□幹部オフィス、朝 ドアを開ける音。

ピアソン「はよざいまーす」

ロドニー「……あら、ピアソン。珍しくちゃんときたのね」

ピアソン「今日の任務は」

ロドニー「待機よ」

ピアソン「……了解っす」

  退出しようとするピアソン。

ロドニー「ねぇ。今日はお暇なの?」

ピアソン「先輩。勘弁してください。じゃ」

ロドニー「ふん……待機っていうのはね」

  鞭の音。

ロドニー「尋問部屋行きって意味」

□尋問部屋 鞭の音。鎖の音など。

ピアソン「……げほ」

ロドニー「あんた意外とつまんないわね」

ピアソン「……痛いっす」

ロドニー「もっと上手に鳴いてよ、
ここ防音だから遠慮しなくていいのに」

ピアソン「俺そういう趣味ないっす。
というか、はぁ、 尋問する人間、間違えてません?」

ロドニー「あら?あんたアダムズにはかわいがられてるみたいだけど、
上には目ぇつけられてるの知らなかった? 幸せなおつむねぇ」

ピアソン「えぇ~。俺超優秀じゃないですか」

ロドニー「そうね。先輩より優秀な後輩はいつだっていびられるのよ」

ピアソン「……アホかな~」

ロドニー「あたしアンタの顔に傷つけたくないのよねえ。
早いとこ口割ってくんない?」

ピアソン「俺が裏切り者だって証拠あるんすか」

ロドニー「証拠なんていらないわよ?」

ロドニー「アレになりたくないでしょ?」

ピアソン「……あのスカート、ピオーネの」

ロドニー「ふふふ、あなたは何時間耐えられる?
(耳元で)ねえ教えて?」

  重い扉が勢いよく開かれる。

シーマン「チーーッス!! 先輩!!」

ロドニー「……はあ、何しに来たのシーマン」

  鍵を閉める音。

  シーマン、銃を構える。

シーマン「可愛い後輩がいたぶられてるって聞いてェ。
俺も参加したいなあ?(楽しそうに)」

ピアソン「くっ…… クソ先輩ッ殺すぞ……」

ロドニー「出てってくれる?あたし達、お楽しみ中なの。
てか持ち場離れてんじゃないわよ」

シーマン「そんなこといわずにさぁー。3Pも良くない?」

ロドニー「趣味じゃないわ」

シーマン「あっそう。……じゃあいいや」

  発砲音。

ロドニー「は……?」

シーマン「はいさいなら」

ロドニー「お、まえッ」

  発砲音2回。

  ロドニー、倒れる。

シーマン「なっさけない姿だなぁ? え?」

ピアソン「はぁ…… 裏切り者ってェ……シーマンさんだったかぁ」

シーマン「おめーもじゃねえかピアソン」

□廊下

  二人分の走る音。

ピアソン「もう始まってんすか」

シーマン「正面でゾルズィとシャリーノが2番隊と交戦中、
あと3分20秒で裏口にトンプソンとエミリが到着だ。
俺たちは3番隊を掃除して2人を入れ、殲滅戦に加わる。
エミリは爆弾設置、トンプソンが『ボス』と”交渉”だ」

ピアソン「はあーーー、やっと暴れていいんすね」

シーマン「いいぞ、許可する」

ピアソン「じゃ、遠慮なく」

  発砲音2回。

シーマン「おぉっと」

アダムズ「ピアソン、シーマン…… おまえら」

シーマン「いやぁ、アダムズさんには恨みはないんすけどね? ウチのトップが」

ピアソン「殺せって言うから」

  銃を構える。

アダムズ「……そうか」

ピアソン「人のシマに手ぇ出すからいけないんすよ、せんぱい」

アダムズ「ならば容赦はいらないな」

  発砲音4回。

ピアソン「おわっ」

アダムズ「チッ!手間をかけさせるなよ新人ッ」

  マシンガンの連撃。

アダムズ「くっ」

ピアソン「あたたたたっクソ先輩ッ!! 俺に当てんな!!」

シーマン「わりーわりーって! こっちコバエがうるさくて!!」

ピアソン「殺しますよ!!」

  拳銃の発砲音1回。

シーマン「おっナイスぅ〜!」

ピアソン「自分の獲物ぐらい自分で仕留めてください」

アダムズ「おしゃべりしてる暇があるのかな?」

ピアソン「チッ」

アダムズ「ふんっ」

  殴り掛かる空振り音。

ピアソン「おわぁ」

  倒れる音。

ピアソン「ふっ」

  蹴り音。

アダムズ「ぐっ……つま先に隠しナイフ」

ピアソン「ざまぁー」

アダムズ「随分と、小さな牙だな子犬くん!!」

  殴りかかるアダムズ。

ピアソン「やべっ」

  マシンガンの後ろで殴る重い打撃音。

アダムズ「ごふっ」

  倒れる音。

シーマン「呼んだァ?」

  発砲音2発。

ピアソン「ふー。よんでねぇっす、狂犬クソ先輩。
俺一人でやれました」

シーマン「ぶふっ、はいはい。あいつの尋問キツかったろー。
無理すんなよ。まだいけるな?」

ピアソン「いけます……チッ……ありがとうございます」

シーマン「お……お前……
まともに礼が言えるようになったんか!! 成長したなぁ!!」

ピアソン「殺しますよ!!」

  リロード音。

シーマン「ま、お前と遊ぶのは、こいつらぜーんぶ片付けてからな!」

  マシンガン連射。

〈終わり〉
2018/08/20

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