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『勇者は剣を放棄した』 【♂1:♀2:不1】15分

概要

魔王討伐にむかう駆け出しの3人パーティ。リーダーである勇者は極度のビビりだった。最初の草原でレベル上げすること数週間。しびれを切らした剣士は勇者を無理やりダンジョンへ引きずっていく。

  • 所要時間:約15分
  • 人数:4(♂1:♀2:不1)全キャラ転換可。
  • ジャンル:コメディ、ファンタジー
  • 登場人物

    • 勇者
      ビビりの少年。千年前の伝説の勇者の子孫というそれだけで魔王討伐に向かわされた可哀想な子。
    • 魔法使い
      グラマー。おっとりほんわか。イヤイヤする勇者をよくなだめている。
      回復、サポート魔法が得意。
    • 剣士
      王国屈指の女剣士。つよい。大剣をふりまわす。気も強い。パーティでは保護者役。子守なんぞしてられるか、と内心思っている。
    • 魔物
      スライム→ゾンビ→ボス。

    本編

    □草原フィールド、最初の町のすぐそば

    魔物:ぷるぷる! ぼくわるいスライムじゃないよう!

    剣士:問答無用! はぁッ!!

    魔物:ぷるぷるぷるぅ! 死ぬぅ!!

    魔法使い:風に仕えし精霊たちよ……
    彼(か)の剣(つるぎ)に力を与えん!

    剣士:唸れ! 聖剣! エクス・ピーーーー・バー!!
    (エクスカリバーにセルフピー音)

    魔物:ぴきー! ……ぷすぷすぅ 

    剣士:ふう……

     魔法使い:お疲れさまでしたー、剣士さま。
    今日も経験値、大漁ですねー。

    剣士:楽勝楽勝! 今日これで三くらい上がった? レベル。

    魔法使い:ええ。そろそろダンジョンも、余裕で抜けられそうですね 。

    剣士:そうだな! もー雑魚狩り飽きたしー、
       このままいっちゃうか~。

    勇者:ヤダ 

         数秒間。 

    剣士:……ハァーーーーーッ

    勇者:ヤダヤダヤダーーーーッ!! 

    魔法使い:あらあら勇者様ったら……

    勇者:魔物こわいよおおおおお死ぬじゃん!!
    ダンジョンとか!!死ぬに決まってるね!!
    見てよこのぼくの細腕!ひ弱な腹筋!
    そしてつぶらな瞳、きゅるん!
    戦えるわけないね!立ち向かえるわけないね!!
    嬲り(なぶり)殺されるね! 

    剣士:あのね、勇者様ね、あのダンジョンのね?
    適正レベルは「五」なのね?
    私たち今、レベル二十ですよ? 
    オーバーキルなんだよぶっちゃけ!
    さっきのスライムもかわいそうなことしたよ、
    うっぷん溜まってたとはいえ! 

    勇者:そんなのカンケーねえ!!
    怖いもんは怖いんだよぉ!
    うわあん!魔法使いぃ!剣士がいじめる!!!

    剣士:このクソガキ・・・ッ

    魔法使い:まあ、確かに・・・。
    ダンジョン出口に待ち構えているというボスは、
    ちょっと手ごわいかもですね・・・。 

    勇者:わかってくれるか・・・!
    やめよう。いますぐ。この旅を。 

    剣士:そうやっていっつもいっつも甘やかすな!!

    勇者:そもそも、ぼくが勇者だなんてまちがってるんだってェ! 

    剣士:そんなことはありません!あなたは、千年前の、
    伝説の勇者の子孫。あなたには世界を救う力があるんです! 

    勇者:十世紀も前の話だろ!?
    そんな血なんて某ハンバーガーショップのアイスコーヒーよりうっすいわ!! 

    魔法使い:コーヒーといえば~、
    スタ・ピーの新作フラペ・ピー・ノが絶品だって
    酒場のルイーズさんがおっしゃってましてねぇ、
    あの、剣士さん(見つめる) 

    剣士:それはダンジョンクリアしてからな。 

         剣士、勇者の足をつかんで引きずっていく。 

    剣士:ほら! いきますよ!
    ゆうしゃらしく! してください!

    勇者:やぁぁぁぁぁぁああああああだあああああああ 

    □洞窟ダンジョン 

    勇者:やあああああだああああああああ 

    剣士:ちょっ、勇者様!洞窟は響くんですから
    叫んだらモンスター寄ってきますよ!? 

    勇者:(小声)やぁぁぁだぁぁぁ 

    剣士:まったく。

    魔法使い:勇者様は平和主義者ですからね~。

    剣士:おいお前の耳は節穴か?
    それとも頭が飾りなのか?
    ただのビビりだぞこいつは。

    魔法使い:ふふっ・・・お強いんですよ、本当は。

    剣士:はぁ?んなわけ……

    魔物:(ゾンビ)げへげへげへげへ・・・おげ~。

    剣士:くっ! 魔法使い! 勇者とさがってろ!!

    魔物:(ゾンビ)ヴァーーー、げへげへ。

    剣士:来るならこい!

    魔物:(ゾンビ)ヴァギャアーーー
      (書き起こせないゾンビっぽい音)

    剣士:ふん!

    魔物:(ゾンビ)が、か、がが
      (書き起こせない切られたっぽい音)

    剣士:レベルあげすぎて秒殺だな。

    魔物:(ゾンビ)がか、かゆい うま 

    剣士:ふん。死んだか。

    魔法使い:まあ、必要以上にマージンとってますからねぇ。

    剣士:はあ、この先も戦いがいのないバトルが続くんだろうな……。

    魔法使い:剣士様はバトルがお好きなんですね。

    剣士:あたりまえじゃないか。
    前線で交わす敵との命のやり取り。
    たぎるだろ?そのために剣士を選び、
    修行を積んできたんだ。それなのに……。 

    魔法使い:まあまあ、ボスはさすがに簡単にはいかないと思いますよ。

    剣士:それに期待するよ。お、階段だ。ザッザッザッ。

     

    □地下階層 

    勇者:宝箱! あっ、宝箱あっちにも!
    あとそこトラップ。 

    剣士:なぁんで勇者こんなに上機嫌なわけ。

    魔法使い:剣士さんが戦ってくれるおかげですねぇ。

    剣士:あとなんでこんなに宝箱とトラップに敏感なわけ。
    あと、なんで、私より先にモンスターに気づいて
    魔法使いの後ろに隠れられるわけ。

    魔法使い:レベル上がるたびに、
    スキル値を索敵とみやぶると
    幸運につぎ込んでましたねぇ。

    勇者:鍵開けせいこーーーう! お宝ぁー! うひひぃ。

    剣士:勇者としてそれどうなの。
    シーフのほうがいいんじゃないの。

    勇者:ムム、この宝石、リスモスで売れば二万ゴールドッ 

    剣士:貴重なスキル値を鑑定に振るな。

    魔法使い:おふたりともー、階段ありましたよ~。
    ザッザッザッ。 

    □ボス部屋

    剣士:そろそろボス部屋だな。

    魔法使い:さすがに、前衛おひとりで戦われるなら、
    強化魔法かけておきましょうね。そぉれ! きらきらー。

    剣士:よし。援護は頼んだ。

    魔法使い:はい! おまかせください! 

    魔物:(ダンジョンボス)ぐごごご……む、誰だ?
    わが眠りをさまたげる者は?わが名は 

    剣士:はっ!どりゃあああ!

    魔物:ちょ、名乗りくらいさせて 

    魔法使い:雨雲よ、雷鳴よ、稲妻よ、わが祈りに応え、
    いっとき力を貸したまえ! 

    魔物:ぎゃああああビリビリビリーーー! 

    剣士:やったか!?

    魔物:グゥ…俺様を…なめるなあああああああ 

        魔物の爪と剣士の剣でつばぜり合い。 

    剣士:くっ、ん、ぐううう 

    魔物:がはははは!!
    台本通りに事を進めない傲慢な人間よ……。
    その程度の力で私を倒せると思ったか?

    剣士:お前ッ……一人称くらい、安定させろ!!

    魔物:うるさいっ!!ブォア!
     (書き起こせない薙ぎ払う音)

    剣士:ぐあっ!! 

    魔物:だいたいお前らがさっさと来ないから
    設定をこねくり回すハメになったんだよぉ!!

    魔法使い:剣士様! いま回復をっ 
    魔物:遅い!! 滅びのバーストストリ 

    勇者:(さえぎって入る)
    うわあああやめろボケえええええええ!!
    ツーシーム・ファストボールッ!! 

        勇者が投げた石が急所にあたる。 

    魔物:デュクシッ! ぐ、ぐわああああああああ

    剣士:なっ。

    魔物:き、貴様、なぜ、私の弱点を……

    勇者:勘。

    魔物:ぐふっ。

    魔法使い:剣士様、剣士様、大丈夫ですか、
    剣士様!心ここにあらずですよ! 

    剣士:はっ。

    魔法使い:傷が痛みますか?今ヒールを……

    勇者:ああああああ!当たったーーーーーー
    よかったーーーー剣士だいじょうぶ!?
    ねえだいじょうぶ!?!? 

    剣士:いやエイチピーは一ミリも減ってません。

    勇者:しんじゃうかとおもったーーーー
    えぐえぐえぐ。

    剣士:勇者様、あの、最後、なにしたんですか。

    勇者:え?ツーシームファストボールが
    「肩のうしろの二本のツノの
    まんなかのトサカの下のうろこの右」
    にあたったよ! 

    剣士:はい?なんて?

    勇者:だから「肩の後ろの二本のツノの
    まんなかのトサカの下のうろこの右」に
    僕のツーシームファストボールがあたったんだってば。

    剣士:私が動転しているからなのだろうか、
    何を言っているのかまったくわからない。

    魔法使い:大丈夫ですよ。私もです。
    勇者様、かみ砕いて教えてくださいな。

    勇者:石拾って投げたら弱点に当たった。

    剣士:あ、あぁ!! 唐突に理解した!!
    って、なんで弱点わかったんですか! 

    勇者:ん? ピンときた。

    剣士:石に縫い目ありませんし
    ツーシームファストボールなんて
    スキル存在しませんよね。 

    勇者:語感がかっこよかったから。

    剣士:なんでただの石があんなすごい音するんですか。

    勇者:たまたま会心の一撃に。 

    剣士:なんでただの石が光ってたんですか。

    勇者:勇者職の固有スキル、
    かっこ自動発動かっことじの、
    光属性付与だけど? 

    剣士:……なんで今まで戦わなかったんですか。

    勇者:いやぼく剣とか振れないし! みてよこの細腕。 

    魔法使い:ね、お強いでしょ。勇者様!

    剣士:こんな世界、まちがってる!

    <おわり>

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    2017.

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